プロフィール

satyanamak*motiDD

Author:satyanamak*motiDD


2006年夏、
人人人ひしめくムンバイに
猫猫ひきつれやってきた二人組。
夫 Satyanamak と妻 MotiDD
2008年11月には新たに
ムンバイ生まれのチントゥーも
登場しました。

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【MotiDD】日本語の歌コンテスト

08月21日, 2012 | 未分類

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日曜日をはさんで、パールスィー教徒の新年とラマザーン・イードが続き三連休だった週末、
“日本語学習者による日本語の歌コンテスト”というのが催され、
……なぜかその審査員になった。
我ながら、ただの怠け主婦をやっているだけで何も活動していない私に、
どうしてこういう機会が恵まれるのか、謎です。

とにかく、一家で行ってみた。

個人部門の出場者十二人、グループ部門が七グループ出場、と聞いていた。
広大な敷地を持つカレッジが会場(人口過密なムンバイの基準で見たらかなり広い)。
小さなホールはほぼいっぱいで、なかなか盛況だが、
おそらく出場者とその家族・友人がすべてで、部外者はゼロと思われる。
八割方が、チャラチャラした女子大生っぽい女の子。
そして私以外の審査員は三人とも、在ムンバイ総領事を筆頭に、
身元のしっかりしたスーツ姿の日本の方々。
他の日本の方々から見てもまったく身元不明な私はフツーに普段着(ジーンズにクルター)。
まぁ一人ぐらいこんなのがいてもいいか。
でも審査員にインド人が一人もいないのはなぜだろう?

審査員、ということで、出場者名と曲目などの書かれた採点票が手渡された。
「選曲の妥当性」「プレゼンテーション」「歌唱力」の三つの欄があり、
各十点満点で点をつけ、合計点の高い人が勝ち。
感想やコメントなどを求められることはなく、
ただひたすら評価・採点していけばいいということで、
ここでいっぺんに気が楽になった。

competition1.jpg
グループ部門第一位に輝いたのはこの二人。


まずはグループ部門から。
「翼をください」「手のひらを太陽に」「幸せなら手を叩こう」などの定番の曲と、
「世界にひとつだけの花」などのポップスと半々ぐらいの割合だったろうか。
多くは十人~二十人前後の大所帯だったが、
一番最初に出てきたのは女の子二人組のデュエットだった。
♪さくらさくら会いたいよ いやだ君にいますぐ会いたいよ♪という歌で、
いま調べてみたら、RSP(これはグループ名なのか?)の
「さくら~あなたに出会えてよかった~」という曲だった。
特に右の、ルックス的にはイケてない方の子がめちゃくちゃうまい。
もとの曲を聞いたことはないが、近年のJ-Pop女性シンガーの歌い方そのままで、
歌手のクセまでも忠実にコピーしているのではないかと思われた。
もちろん発音などにまったく違和感もない。
聞いたら誰もインド人女子が歌っているなどとは思わないだろう。
この人たちは一体どれくらい日本語が話せるのだろう?
最初の出場者からいきなりハイレベルだったので、今後の展開に期待が高まる。

competition3.jpg
曲目は「この広い野原いっぱい」


十人以上いるグループは、和気藹々とした雰囲気で、
花や星などの小道具を手に歌ったり、水色のドゥパッターで波を表現したり、
衣装を揃えたりなど、演出にもさまざまな工夫を凝らしていた。

「翼をください」のようなコーラス曲の代表格も、あくまでユニゾンで歌われている。
たしかにコーラスという文化はインドにほとんどないのだが、
どうせ日本語の歌をうたうなら、ハモりの愉しさも知ってほしいと思う。
結局、♪さくらさくら会いたいよ……を歌った二人組がグループ部門第一位に輝き、
発表を聞いた瞬間、歌った二人はあくまでギャルっぽくうれし泣きしていた。

competition4.jpg
個人部門第一位。スレンダーな可愛い子だった。


個人部門で第一位に輝いたのは、女の子でありながら
ギター弾き語り(インドで見たのは初めてです)に挑戦していた、
バスケットシューズに細身のジーンズ、青いTシャツに身を包んだ
やはりギャルであった(さっきから死語を連発してすみません)。
この人はグループ部門でも、二グループほどのギター伴奏をして
けっこう目立っていたので、彼女がソロで出てきた時は
「おっ、出たね」という感じであった。
曲はスキャンダルという女の子バンドの「瞬間センチメンタル」という歌。
いま YouTube でオリジナルを見てみると、ハードなロック調の曲で、
荒っぽく歌われているのだが、彼女はアコギ一本でしっとりと歌い上げ、
メロディの良さを最大限に引き出すことに成功していた。

しかし、私の採点票で第一位に輝いていたのはシュレーヤさんという別の女性だった。
やわらかな白地に金のザリの美しいケーララ風サリーの、
ギャルというにはちと年齢的にも雰囲気的にもふさわしくなさそうな落ち着いた女性。
彼女は「やさしさの種子(たね)」という、これまた知らない歌を歌っていた。
調べると、「カードキャプターさくら」というアニメで使われた曲らしい。
♪母が愛し子を腕(かいな)に抱いて♪などという格調高めの日本語を、
それはもう高く澄みきった歌声で、優美に歌い上げる。
あまりに上手くて座っていたシートに沈没したくなった。
もうこの歌はこの人のものだ。完全に。ぎゃふん。

しかし結果発表を見てみれば、彼女は第二位になっていた。
やっぱりギャルによるギター弾き語りのほうが派手だしなー。
ゴンさんと後ろで観ていたSatyanamak も同様にシュレーヤさんに百点満点をあげていた。

competition2.jpg
「センセイ・アカデミー」の前列右から四番目がシュレーヤさん



インドには歌の上手い人が多い。
上手いといっても、日本の歌手のように上手いのではなく、
べらぼうに上手いのだ。歌を豊満にしてしまう。
蜂蜜がとろとろとスプーンから落ちるように、
甘美になめらかに、いくつもの音を通りながら動く旋律。
日本の人が「ドレミ」と歌う場合、「ド」と「レ」と「ミ」しか通らないが、
インドの上手い人は、それらの音の間にある無数の音を通りながら、
フレットのないヴァイオリンのようになめらかに「ミ」まで到達する。
また、日本の人のようにはにかみ屋じゃないので、
誰しもが堂々と歌に入り込んで、感情的に歌い上げる。
それにより、歌に命が吹き込まれ、輝きを持ち始めるのだ。

しかし日本の審査員の人たちがおそらく共通して「困ったな」と思ったのは、
伴奏をまったく無視して歌っている人たちが多かったことだと思う。
どこかからカラオケ伴奏を拾ってきたはいいが、
歌い手のキーにまったく合っておらず、また合わせる努力も見えない。
弾き語りの彼女にギター伴奏を頼んでみたものの、
ギターのキーと歌のそれがまったく合っていない。
あるいは、カラオケ伴奏よりワンフレーズ先走って歌っていて、
ついに終わるまでそれに気づかない
(徹頭徹尾ズレて歌っていながら、奇跡的に最後だけ合った、という人もいた)。
どんなに合っていなくても伴奏も歌もずっと聞こえ続けるから、
加えて歌がうまくない場合には、それらを合わせて聞いて
「これは一体どんな歌なんだろう……」と想像するのすら難しい、という事態に。
それでも堂々と情感込めて愉しく歌い続ける、というところは
まったくインドらしくて好ましいのだが、やはり改善すべきではある。
また、合唱で一番大切な「歌い出し」がみんなバラバラで、
そのため歌の輪郭がひどく不明瞭になってしまっていたのも残念だった。

このコンテスト、おそらく“ムンバイ日本語教師連盟”的な団体が主催になって、
今年初めて開催されたものと思う(←詳しいことを何も知らずに審査だけしている)。
私は J-Pop に造詣が深くないし、誇りを持っているとも言えないので、
後ろに座った若い女の子たちが私の知らない J-Pop の曲について
興奮しながらコメントしているのを聞くのは実に不思議な思いがした。

インドの人たちの豊かな声で懐かしい日本のメロディを聴く、という
愉快かつ貴重な経験をさせていただいた一日だった。
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