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satyanamak*motiDD

Author:satyanamak*motiDD


2006年夏、
人人人ひしめくムンバイに
猫猫ひきつれやってきた二人組。
夫 Satyanamak と妻 MotiDD
2008年11月には新たに
ムンバイ生まれのチントゥーも
登場しました。

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【MotiDD】スィッディとサマエ

11月28日, 2011 | 未分類

2 Comments
スィッディとサマエ。
この集合住宅に住んでいる子どもたちの名前である。

スィッディに会ったのは、まだこちらに移り住んで間もない頃。
ゴンさんよりふたつばかり年上の、元気な女の子だ。
住宅内のごくごく小さな公園でゴンさんと遊んでいる時に出会った。
付き添っていたお母さんやおばあちゃんにも気取った感じがなく、
付き合いやすそうな人たちだなー、と知り合えたことを喜ばしく思い、
ゴンさんの学校探しのための情報をもらったりしていた。
彼らの出身が、過去に幾度も訪れたネパールだったことにも、親近感を感じた。
おませなスィッディは、会うとゴンさんの手を取ってよく遊んでくれ、
ほっぺにキスをたくさんしてくれ(しつこくすると嫌われるよ! とお母さん)、
ゴンさんもそれはうれしそうに振り回され、走り回っていた。

そのスィッディといつも一緒にいる従姉妹、
アンヴェーシャーの誕生日パーティーに招かれた。
ゴンさんは寝てしまったので、私一人で小さなプレゼントを用意して出かけた。
「D棟に住んでるから」という説明だけで、部屋番号など聞かずにいたので、
とりあえずD棟の玄関へ行き、守衛さんに
「ここに小さい女の子が二人住んでるでしょ、ネパール人の」
と聞いても、そんな家はない、と言われるばかり。
念のため隣の棟へ行って守衛さんに同じことを聞くが、要領を得ない。
途方に暮れ、通りがかった奥さんに聞いてみたが、
やはり知らない、と答え、去り際に思い出したように、
「あぁ、そういえばなんか下のそこのところに小さい女の子たちが住んでるわね」
とD棟の下の、駐車場のあたりを指さした。
そこには、いつもシャッターを閉ざしていて開いているのを見たことがない
小さな食料品店があり、隣はガレージか何かだと思っていた。
そのガレージのところに、なにか飾り付けがしてあるようだ。

ここが、家?
高級住宅地に位置するこの集合住宅のなかの、他の家々と見比べると、
これを家と認めるのには時間がかかってしまう。
車を一台停めたらいっぱいの、駐車場と見まごうコンクリート打ちっ放しの部屋の奥に、
同じような狭い物置がひとつ。
駐車場のところにはパイプ椅子がいくつか置かれ、大人が数人座っていたので、
「ここにスィッディが住んでますか?」と
アンヴェーシャーの名前を当時どうしても覚えられず、
スィッディの名前を出して聞くと、「中にいるよ」と奥の物置を指した。

そういえば、お母さんと話していたときに
「父がここに住んでた人のところで働いていて、住居をもらったの」
と聞いていた。もらった、って、ちゃんとした部屋かと思っていた。
お母さんは英語も流暢で、スィッディに話す時もネパール語はまったく出さず、
ヒンディー語に時折英語を入れて話している。
着飾ってはいないが、私などよりはずっときれいな服をきちんと着ている。
まったく想像していなかった事実に呑まれつつ、
おめでとうを言ってプレゼントを渡し、お暇した。


100_4271.jpg


サマエは同じ棟の九階に住む、ゴンさんより一年半は年少の男の子。
下で顔を合わせたご両親から「遊び相手になってください」と言っていただき、
しばらく経ってからやっと遊びに行くことが実現した。

庭でサマエと相好を崩して遊んでいる姿を時折見かける白い老紳士は、
遠くから見ても、「あれはグルザール先生だ」とすぐにわかった。
著名な詩人・作詞家で、ボリウッドにも無数のヒット作を持つ。
ヒンディー語/ウルドゥー語の詩を読みたい、と思って書店へ行くと、
ほとんどそれしか選択肢がない、という淋しい現実もあり、
私も著作を二冊持っている。
白い髪に白い髭、白いクルターに白いズボンのグルザール先生が、
白く輝くセダンから降り立つ。
徒歩二分の豪邸から、孫に会いにやって来たのだ。

サマエを訪ねよう、と初めて重い腰を上げたその日。
集合住宅内に通じるインターホンで、電話をかけた。
出たのはメイドさんらしき人。
「○○号室からかけてます。サマエのお母さんと話したいのですが」
「どういったご用件ですか?」
グルザール先生と有名女優さんとの間の娘さんであるサマエのお母さんが
電話に出てきたことは、いまだかつてない。
いつでもメイドさんや使用人が取り次ぎ、返答も彼らからもらう。
「あとでかけ直してください」と言われたりする。
やりづらさを感じる。

遊びに行ってみると、サマエははち切れそうにアクティヴな子で、
ゴンさんともしきりに関わりを持って遊びたそうにしている。
一歳半も下とは思えないほど身体が大きく、二人の体格はほぼ同じ。
おもちゃがたくさんあり、ゴンさんにとってはおもちゃ天国だが、
不慣れな場所に来たためか、ゴンさんは非常におとなしく、
おもちゃをいじりながらも、どこか不安そうに母にくっついてくる。
「まったく対照的ねー。うちのは起きてる限りずっとこれよ」と
ため息をつくお母さんに同情したくなるほど、
サマエは一箇所に落ち着いて静かにしていることがなく、一分以内に興味が移り、
常に細かく動き回って、しばしば叫び声を上げたりしている。
絵がとても上手で、○を二つと四角で「オート!」を描くことができた。
カップボードの側面をお絵かき用黒板として使用しているようで、
チョークでいくつか描くと、使用人がそれを布巾で消し、
またそこに新たにサマエが描く……というようなことが行われていた。
使用人は常にそばに付いていて、サマエの放り出したものを拾って歩いたり、
必要なものを取り出したりしていた。
その後、サマエが一瞬だが我が家に猫を見に来たり、
ディーワーリーの花火を一緒に遊んだりしたが、
電話でアポイントメントを取ることを思うと九階が遠く感じられ、
なかなか親しくなるところまで行かないのだった。

ゴンさんの三歳のお誕生日。
事前に言っておくとプレゼントを用意されちゃって堅苦しいから、と
ケーキを切る直前になって電話をかけ、誘った。
来るのか来ないのかはっきりしないやり取りのあと、やっと訪ねてきてくれた。
ドアを開けると、サマエを抱っこした彼らの運転手さんと、
うしろには大きな包みを抱えたメイドさん。
お母さんは仕事で来られず、サマエはたくさんの見慣れない顔と家に落ち着かず、
ケーキの一切れすら食べずに彼らは帰っていき、巨大なプレゼントだけが後に残った。
こ、これが金持ちのやり方かぁ~、と唖然。
プレゼントなんて、サッと使用人を走らせて用意することができるのだ。

スィッディとサマエ。家の環境はだいぶ違うが、どちらもいい子で、
ゴンさんともっと遊べるようになればなぁ、と思っている。

100_3777.jpg
ある日突然、庭がこんなお誕生日パーティー会場になっていて度肝を抜かれた。
電車が走り、トランポリンが設営され、子どもを乗せた馬がかぽかぽ歩いている……
当時はまだ、高級住宅街のやり方を知らず、いちいち驚いていた。

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2 Comments

お友達は、階級やお金じゃなく人柄で選びたいよね。
少なくともここでずっと生活するわけじゃない私たち、ここの常識に流されすぎないようにしたい。
でも、もしもここで生まれて育っていたら、私自身そう言い切れる自信はまったく無いです。

by みみ | 11 30, 2011 - URL [ edit ]

「もしもここで生まれ育っていたら」ってすごい大きな「もしも」ですね。
私もそう仮定すると、自信はない。
ここでは、何かそれだけ社会通念というものに強迫的な力がある気がします。

誰は金持ちで誰はビンボー、っていう壁を作っちゃってるのは大人。
そういうので子どもが窮屈になるような寂しいことにはしたくないと思います。

by 【MotiDD】 | 12 01, 2011 - URL [ edit ]

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