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satyanamak*motiDD

Author:satyanamak*motiDD


2006年夏、
人人人ひしめくムンバイに
猫猫ひきつれやってきた二人組。
夫 Satyanamak と妻 MotiDD
2008年11月には新たに
ムンバイ生まれのチントゥーも
登場しました。

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【MotiDD】旅は始まる。『My Name Is Khan』

03月12日, 2010 | インド映画

3 Comments
暑さの到来を告げる祭り・ホーリーも終わって寝苦しい季節が始まり、小さなチントゥー坊がうなされて泣くのをなだめていた真夜中、自分が眠りに帰れなくなってしまった。そんな時間を利用した初投稿。おととい観た『My Name Is Khan』がいい映画だったので、書き留めておく。生まれついての自閉症(の一種と位置づけられるアスペルガー症候群)で、人とうまくコミュニケートできないインド生まれムスリムのリズワーン・カーンが、アメリカ大陸を歩き、9.11で傷ついた世界を修復する……という話。シャールク・カーン主演、カラン・ジョーハル監督のコンビは、ボリウッドに多数のメガヒット作を残してきた。以下にあらすじを。

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リズワーン・カーン(シャールク・カーン)は、アメリカ大陸へ渡ってヘア・スタイリストのマンディラ(カージョール)と出会って結婚し、唯一の理解者だった亡き母と交わした“幸せな生活を送る”という約束を果たす。マンディラには離婚した夫との間に生まれた息子、サミールがいたが、何の問題もなく、サン・フランシスコで幸せに暮らす3人。そこへ9.11という時代を変える事件が起きる。結婚後に名乗った夫のムスリム姓“カーン”を冠した自分のヘアサロンを経営していたマンディラは閉店に追い込まれるが、彼女を襲ったのは経済的苦境だけではなかった。ムスリム差別による暴行事件などが多発していた折、息子のサミールが、何者かによって暴行を受け殺されたのである。かけがえのない息子を奪われたマンディラはリズワーンに対し「ムスリムであるあなたと結婚した私がいけなかったんだわ。もう顔を見たくないの。私家を出るわ」と泣き叫ぶ。「なぜお前が家を出る? 家はお前のだ、俺が出て行くよ」というリズワーンの「いつ帰ってくればいい?」との素っ頓狂な問いに対し、「“My name is Khan, I’m not terrorist”と世界中の人に伝えるまで帰らないで。そうよ、アメリカ大統領に言えばいいんだわ。大統領にそれを伝えるまで家に帰ってこないで」と言ってしまう。マンディラのこの言葉とバックパックひとつを背負い、リズワーンは大統領を追う旅に出る。しかし警備の厳しい大統領周辺にそう簡単に近づけるはずもなく、「Almost Repair Anything(だいたい何でも修理します)」という看板を手に、リズワーンは修理工としてわずかなお金を稼ぎながら大陸中を転々とする。空港ではムスリムだというだけで厳重なセキュリティー・チェックを強制されフライトを逃し、9.11以降ムスリム差別のとばっちりを受けている非ムスリムインド人経営のモーテルでは宿泊拒否にあうなど、苦難の多いリズワーンの旅だったが、心あたたまる出会いもあった。南部ジョージア州、人口200人ばかりの小さな村で、クリスチャンのママ・ジェニーとその息子ジョエルの世話になり、対アルカイダ戦で命を亡くした家族を悼む人々と、サミールを失った悲しみをシェアしたのだった。ママ・ジェニーたちに別れを告げ、旅を続けていたリズワーンだったが、礼拝のために立ち寄ったロス近くのマスジッド(モスク)で、若者たちをテロ行為に煽動する危険人物に出会う。イスラームの故事を例に「犠牲は信仰の証だ、いまこそ立ち上がれ」と暴力行為を煽り立てるその人物に対し、「あの人は嘘つきだ、愛だけが信仰の証だ」とリズワーンは立ち去る。その直後、大統領の会見を観る群衆のなかに入りこみ、マンディラとの約束を果たすため「My name is Khan, I am not terrorist」と叫んだリズワーンは、“テロリスト”の一語を聞いてパニックに陥った群衆が逃げまどうなか、テロリストの容疑をかけられて逮捕されてしまう。苛烈な拷問にもテロリストの尻尾を出さないリズワーンに警察が業を煮やした頃、リズワーンの逮捕現場を偶然カメラに収めていたインド人青年レポーター、ラージの努力が実って大きく報道され、不法な逮捕拘留が世間に知れ渡ったため、ようやく彼は釈放される。釈放されるリズワーンを待ちかまえる報道陣。その頃には「私は憎しみで強くなる。そしてサミールを殺した犯人を捜し出すわ」と孤独な戦いを続けていたマンディラも、リズワーンへの憎しみを解き、彼を捜しに来ていたが、リズワーンは“まだ約束が果たせていない”と彼女や報道陣を避けてまた旅に出る。そんな時、ママ・ジェニーの村がジョージア州を襲ったハリケーンのため水没し、危機に瀕していると知ったリズワーンは、「ちょっと待ってくれマンディラ、俺は行かなくちゃ、ママ・ジェニーのところへ……」と水に沈んだ村へ向かう。ひとり必死で村人の苦難を軽くする努力に身を砕くリズワーンを、青年レポーターのラージや、彼が実らせた報道によって兄の所在を知った弟夫婦とマンディラなど、彼を追う多くの人々が、支援物資を背負って村へやってきた。しかしマンディラに向き合った彼の前に、ロス近くのモスクで会ったテロリストの一味が現れ、リズワーンを刺す。一命を取り留めたリズワーンは、ジョージアの村を救ったインド人ムスリムということで世界中にその名を知られた有名人となっていた。マンディラに付き添われて退院したリズワーンは、就任したばかりのオバマ大統領の会見場所へ行き、そこでとうとう大統領に「My name is Khan, I am not terrorist」と伝える機会を得たのだった。




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3年前に彼の『Kabhi Alvida Na Kahna』を観て以来、カラン・ジョーハル監督には期待していなかったのだが、さすがに多くの大ヒット作、名作をボリウッドに残してきた監督なだけあり、意外な傑作。無駄なシーンがまったくなく、シンプルだが重要なメッセージをまっすぐに投げかけてくる、素晴らしい映画だった。キャストはすべて役柄に合っていて、いい演技をしていた。特にマンディラ役のカージョールの演技には拍手を送る。あんなに色黒で、おまけにたいそう頑丈そうなアゴを持つ女優さんでありながらトップ女優の人気を誇るのは彼女の演技力とそこから生まれる美しさが理由に他ならない。演技が大味なことで有名なシャールク・カーンによる自閉症の演技は無理があったが、これはこれで、カラン・ジョーハルの監督作品らしくて(=ボリウッド映画らしくて)いい。アスペルガー症候群という病名を何度か作品中に出しながら、その病気についてのリサーチが十分になされておらず、正しく描かれていなかったのが唯一の難点。

リズワーンの母親が、ヒンドゥーとムスリムの軋轢に初めて触れ動揺する幼いリズワーンに、差別が間違ったことだと教えるシーンが印象的だった。まず「これがリズワーン」と人を一人描き、右横に「これはあんたを殴ろうとしている人」と棒を持っている人の絵を描く。「殴られたら痛いもの、悪いやつだ」とリズワーン。そうね、じゃあ次、と、また人を一人描き「これがリズワーン」。横に飴を持っている人を描いて「この人は飴をあんたにくれるのよ」と言う。「飴は甘くておいしいね、こいついいヤツだ」とリズワーン。そうねリズワーン。今度は、それらの絵を2枚タテに並べて「じゃあ、これとこれ、どっちがムスリムでどっちがヒンドゥー?」と問いかける。頭を抱えてしまうリズワーンに母親が言う「世界には2種類の人しかいないの。悪い人といい人。それだけよ」

“時代を分けるのに紀元前、紀元後という二通りの言い方があったが、3つ目が加わった。9.11後、という時代だ”という台詞があった。それが大げさだとは言い切れないほど、この世界が負った傷は深い。リズワーンはただマンディラを取り戻すため、何がサミールの幼い命を奪ったのかを世界に知らせるためだけに旅をした。結果的に彼は、マスコミに注目されたことによってヒーローとなり、世界に「ムスリムはテロリストではない」というメッセージを送ることに成功し、徹底的に傷ついた世界を、少しだけ修復したことになった。ヒジャーブ(ムスリム女性が頭を覆う布)をかぶっていたことで「この国から出てけ!」と中傷誹謗を受けた義妹が、最後にはまたヒジャーブをかぶって自分がムスリムであるという表明をできたのも、彼の行動に勇気づけられたからだったし、サミールの死の真相をひた隠していた少年(サミールの親友だったが対アルカイダ戦で父を亡くしてからサミールに辛く当たっていた)も、最後にはマンディラに真相を話し、許しを乞うことができたのだった。

もちろん「映画だから」だ。映画だからこんなにことがうまく運び、英雄は輝く。でも映画がリアルと同じである必要はまったくないし、そうなってしまったら映画は面白くなくなってしまう。だから、こんなに感動的に映画的なストーリーに仕上げた監督に拍手を送る。

と同時に、「映画だから」では片付けられない、と思う。ひとり一人それぞれの旅を、逃げずに一歩一歩 歩かなくてはならない、とこの映画は語りかけていた。私の旅ってなんだろう。なんだろう、と言っている間に人生という旅が終わってしまいそうです。そんなことではイカンいかん。

新しいブログではさっぱり短くこまめに投稿しよう、と思っていたのに、しょっぱなから長々とストーリーを書いてしまった。さぁてどんなブログになるかしら。

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3 Comments

お、ブログリニューアルだね。今後も楽しみにしていま~す。
この映画、公開前にちょっと話題になってたやつよね??(SRKに謝罪してもらいたい人々がいるとかなんとかで・・)
面白そうな内容なので、観て見たいです~。4月でもまだ上映してるといいな~。

by Chuma | 03 12, 2010 - URL [ edit ]

うっかり前のアドレスの方を見に行ってしまいました。
あれ?ない?あれれ?っと思いつつ、こちらに来ました。
まあ、マイペースでぼちぼち更新してください。

by みみ | 03 12, 2010 - URL [ edit ]

Chuma ちゃん >>> 第一号コメント、ありがとう! この映画リリース直前の騒動は、例によってシヴ・セーナーだよ。SRKがクリケットIPL選手の人選に関して、極右に「おまえはPAKの味方をする気か非国民!」と取られるようなコメントをしたため(SRKはもっともなことを言っただけなのだが)。映画とは関係なかったのです。むしろ、SRKがUSのどこかの空港で、KHAN だということで数時間足止めされ尋問を受けた、というニュースのほうがあまりに宣伝くさくて記憶に残っています。ともあれホントにこれはいい映画。ぜひ観てね~。

みみさん >>> 前のアドレスに、ちゃんと「引っ越しました」と書いておかねばならないのですが、そっちを担当すると自分から言った Satyanamak が多忙でできず、のびのびになっております……ご迷惑おかけしました。出発までにはやるでしょう。って明日だー。カルナールでPCお借りしてやるかなぁ……。

by 【MotiDD】 | 03 13, 2010 - URL [ edit ]

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