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satyanamak*motiDD

Author:satyanamak*motiDD


2006年夏、
人人人ひしめくムンバイに
猫猫ひきつれやってきた二人組。
夫 Satyanamak と妻 MotiDD
2008年11月には新たに
ムンバイ生まれのチントゥーも
登場しました。

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【MotiDD】グジャラートへ ―― アーメダバード爺

04月05日, 2008 | 旅に出た

12 Comments

アーメダバードで驚いたのは、オートの運ちゃんが観光地の場所を知らない、ということだ。
だいたい6割ぐらいの人はメーターで走ってくれる(ただしメーター換算表を持っているとは限らない)。
メーターで走ってくれる人の9割ぐらいは正直そうないい人だった。
しかしその正直ないい人も、「アーメダバードといえばガイジン観光客はこれを観に来ますよ」という
2大観光地“キャリコ博物館”と“階段井戸”を知らないのだ!
これには参った。

 

階段井戸の現地名“Dada Hari Vaav”というだけではわからないようなので、
「ほら、昔使ってた、井戸で階段状になってるやつで、駅からそんなに遠くない……」
と説明すると、“井戸”と“駅から遠くない”というキーワードがヒットしたらしく、
運ちゃんは突如、どこか目的を持って走り出した。
しかし着いてみると、そこは“Paanch Kuaa”(五つの井戸)だという。どうも違う。
階段井戸は1つだけで、5コもないはずだ……。
すると、インド的に当然次に来るべきパターンだが、
そこにたむろしていたお兄ちゃんの一人が「Asarwaaの方にあるよ」と教えてくれた。
そこでオートはAsarwaa方面に猛然と走り出し、またAsarwaaで人に聞いてUターンして戻り……
というようなことをくり返し、ようやくそれらしき場所にたどりついた!

 

白いムスリム帽の老人が2人ほど座り、

止まったような時間を前から後ろにやり過ごしている。
観光客の姿はおろか、そこにはこの人たち以外に誰も見あたらない。

 

階段井戸は、美しい石彫細工で飾られている。
重たいガイドブックもうるさい案内人も美観を汚す看板の説明もないので、
何のために井戸をこんなふうに美しく、かつ複雑な構造に作ったのかが見当もつかない。
左右に美しいレリーフを見ながら広い階段をどんどん降りていくと、
多角形の井戸の底につきあたる。
井戸の周囲には5層ぐらいになる回廊があり、井戸を見下ろせるようになっている。
階段を一段一段下るにつれ、空気がひんやりとしてくる。

 

 

 

残念なことに、観光局などによる管理が皆無のようで、
地下の陽の当たらない井戸の内部には、コウモリの糞やカビの臭いがしみついていた。
美しい回廊の石彫にも、濃いクモの巣が張り、ハトの羽や枯れ葉がからまっている。
階段井戸は、アジャンターの石窟遺跡のような壮大さはないものの、
繊細で優美な美しさにあふれている。わざわざ遠くから見に行くだけの価値を有している。
積極的に観光客を誘致することの良し悪しは別としても、
「美しいものを美しく保つ」ことを怠った結果であるこの景色は、少しもの悲しかった。

 

下から見た階段井戸。

 

階段をのぼり、再び地上の日光の下に出ると、

オートの運ちゃんは暇そうに座っていた爺さん相手に
「井戸井戸って言うからさぁ、俺ぁてっきりPaanch Kuaaのことだと思ってよ……」と、
あちこち走り回された経験をグチっている。
私たちが出てきたのを認めると、白いムスリム帽の爺さんは

先に立って私たちをどこかへ案内し出した。

爺さんの導くままに、運ちゃんと私たちは、井戸の横側にある細い階段と、
井戸の裏にある、井戸と同じぐらい古いマスジッド(モスク)を見て回った。
マスジッドの入り口で裸足になると、灼けた土に足裏が熱かった。
こうして時折やってくる観光客から集めているのだろう、
爺さんは外国の硬貨や紙幣をたくさん持っていた。
見終わってマスジッドの横に腰を落ち着けたとき、
日本から来た友達が豊富に持っていた10円硬貨を40Rs相当額、お礼として渡す。
「来月になったらこの外貨を交換できるんだ」というようなことを言っていたが、
このマスジッドと同じぐらい古びた、歯も何本かない白ムスリム帽のお爺さんが
これらの各国外貨をルピーに交換している姿は想像がつきにくく、
きっとこの人は、「これを交換したら俺は大金持ちだな、うふふ」と思いながら
このまま死んで行くに違いない、という気がした。

 

何かの話で友達がふと笑ったときに、爺さんは
「?? ??? ?? ?? !!(こいつ喜んだぞ!)」と言って、それはうれしそうに笑った。
その笑顔を見て、硬貨などと天秤で測れない一瞬をこの爺さんと共有した、と私は信じた。

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- Comments
12 Comments

観光地化しすぎるのも悲しいけど、顧みられないのもねぇ。
そこに住まう人たちが、地元の文化遺産を知り大切にして、それを誇りに思ってほしいもんだよね。
私がそこに行くことはおそらくないと思うけど、これを読んで写真を見て、なんだか少し時間を共有したように思えてうれしかったです。

by みみ | 04 05, 2008 - URL [ edit ]

[止まったような時間を前から後ろにやり過ごしている。] なんともいい感じだな。
読んでると、ふっとそんな場所に私も紛れ込みたいような気持ちになるよ。
10円玉を宝物にしまいこんでおきそうな爺さんと、日がな一日井戸のそばに座っていたいような・・・


by とやまん | 04 05, 2008 - URL [ edit ]

みみ 様 >>> ただ素早くチェックしてくださっているだけでなく、心を入れて読んでくださっているんだなぁ、と感じられるコメントで、とてもうれしいです。でも、せっかく何かの縁でこうしてご近所に住んでいるので、一緒にいろんなところへ行って、バーチャルだけでなく本当に時間を共有しましょう! 平日ヒマ組で、どっか一日遠足でも企画しましょうか~。

とやまんまん >>> オートで「あっちでもない、こっちだ!(ぶーーーーん)」「いやあっちだ!(ぶーーん)」とざわざわ“動”モードで突然そこへ到着したので、余計に“静”の印象が強かったと思います。日本でも、神社の境内とかって時間が止まってる感あるよね。神社から桜へ連想が飛びました。決して咲いた状態で止まってはくれない桜の花を愉しんでね(←ってもう終わっちゃう頃か!?)。

by 【MotiDD】 | 04 06, 2008 - URL [ edit ]

お久しぶりでございます。ジャイナ教はお釈迦様の教えとも深い因縁のある教えと聞いております。その縁のある場所を訪れられたとは、ありがたや、ありがたや。
も鹿も以前、この二大観光地を訪ねたことがありまする。も鹿の父、大鹿とその友であるおじ鹿をインド流浪の旅にお連れ申した折でありました。階段井戸は日本のテレビ放送でも取材地に組み入れられることがあり、日本人好みなのか、お連れした方々もクッシでありました。今週はも鹿も仕事に絡んで、このキャリコ博物館に係累をつらねるアーメダバードの織物商人サバライ(だったか、度忘れ)一族のメンバーに、日出国から嫁がれた姫に御目文字をすることになっております。アーメダバードの日々が蘇る、、、とはいかず、すっかりと忘れ申しました、過去の出来事。
Moti殿は、記憶の新しいうちにどんどんと物語してくだされ。

by も鹿 | 04 06, 2008 - URL [ edit ]

も鹿さま >>> お釈迦様のスポークスパーソンというかスポークス鹿さん(?)からのコメントと思うと、こちらこそ有難く、またもったいないです。しかし大鹿さんとおじ鹿さんをお連れしているのに“流浪の旅”というところが大胆ですね……なんとなくドキドキします。キャリコ博物館は素敵だったのですが(特に牛の絵がよかったのです)、案内の方がペースが速く、ひととおり説明を終えるとサッと次に移動してしまうので、ゆっくり見られないのがとても残念でした(一族の名前はサラバイだったかな?)。入場料を取ってもいいからもう少し余裕を持って時間を取ってほしいものだと思いました……なんて、あわよくば、も鹿どのと姫との会見を通して、一家の誰かの耳に届け、と欲を出してみました。よいご帰郷を!

by 【MotiDD】 | 04 06, 2008 - URL [ edit ]

井戸の写真、素敵に撮れてますね。私も実際に見てみたくなりました。歴史や建築に関しての詳しい知識はありませんが、こういう古いモノを体感すると神妙な気分になります。 でも、どうして階段なのか、知りたいですね。。
外貨を大事に持っているお爺、しかもコイン。両替する夢を持ち続けてほしいな。硬貨が両替できない現実を知ってほしくないですね。

by Chuma | 04 07, 2008 - URL [ edit ]

Chuma ちゃん >>> ありがとう! 井戸の写真 by 友達です。写真は撮るのも撮られるのも苦手、というクチなので、写真は人にお任せ。うん、いつか見に行ってね! ハネムーンの続きもよし、独り立ちの旅もまたよし。コインが両替できないなんて、私も帰ってきて誰かに聞くまで知らなかった……でも爺は(もし本当にするなら)正規の両替商からなんか両替しないだろうから、きっとコインでもできるさ……と、私もそこに夢を託しておきます。

by 【MotiDD】 | 04 07, 2008 - URL [ edit ]

仏様(師匠)と二人連れの人生 丁度よくないはずがない これで良かったといただけたとき 億年の信が生まれます すべての恵みと授かりと 計らいと受けとる心が丁度よい
お久しぶり~!!マチュリ憧れのお二人、親友との旅日記。あっ、まだまだ師匠は登場しないのですね。インドの牛様のように、穏やかな心でのーんびり屋さんのmotiちゃんは旅に行ってもそのまんまで羨ましいです。だから、きっとその豊かな感受性をいつも発揮できるのですね。いつか一緒に旅できたら、「あんた!!少しは落ちつきなさい」
と怒られ続けて口をパクパクさせて落ち込むマチュリが目に浮かびます!!そんなときは大好物の餌(カタクチイワシ)を与えてあげてください。


by 日本男児(魚) | 04 10, 2008 - URL [ edit ]

階段井戸の美しい石彫の模様は女性が手に書くヤツ(メヘンディ?だっけ)に似ていますね。あの模様はなぁに?やっぱり古いものには味がありますね。実際にみたらもっと感動して泣いちゃうのかな。そういえば音楽学校の建物もこんな模様じゃ?
これから豚肉買いにカーラホーラ行くから、ついでにふらりと美術館でも覗いてみようかなぁ

by マチュリ | 04 10, 2008 - URL [ edit ]

Mr.魚あるいはマチュリくん >>> うーん、よくこういう教えが書道の書体で印刷されたカレンダーとかが人の家にお邪魔するとあったりしたなぁ……あるいはお寺付属幼稚園の前を通るとこういう標語が書いてあったり。懐かしいねー。ディーウでは走る牛を見かけました。茶色い牛がコールドドリンクを山積みしたトラックを追いかけて坂を駆け下り、下りきったところでUターンしてまた走って同じ坂道をのぼって、仲間の群れのなかに戻ると、またもとの穏やかな歩調に。まるで仲間から何かの罰ゲームでも食らったかのような、一瞬の牛の激走でした。醤油とワサビ持参の旅、なんとか敢行したいが……なんとかしようね!

by 【MotiDD】 | 04 12, 2008 - URL [ edit ]

現代建築にもこういうのがありますが、やはり歴史がある物の光と影には敵わないです^^;

by プログレ子 | 04 21, 2008 - URL [ edit ]

プログレ子さま> どうもはじめまして。歴史のある建物はムンバイにもたくさんあって、普通に人が住んだりしていますが、やっぱり迫力が違いますね。

by SatyanamakMotiDD | 04 24, 2008 - URL [ edit ]

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