プロフィール

satyanamak*motiDD

Author:satyanamak*motiDD


2006年夏、
人人人ひしめくムンバイに
猫猫ひきつれやってきた二人組。
夫 Satyanamak と妻 MotiDD
2008年11月には新たに
ムンバイ生まれのチントゥーも
登場しました。

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
カテゴリ

スポンサーサイト

--月--日, -- | スポンサー広告

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

【Satyanamak】恐るべき渡し船

10月05日, 2007 | 未分類

13 Comments

ゴライのビーチからマノーリーまでの道は本当に良かった。
夕暮れどき、緑の道をノンビリ走り、古い家の軒先でシャボン玉を吹いている家族を見たときには、

そのあまりの美しさに胸を打たれてしまった。平和ってなんて素敵なんだろう。
人人人車車車ゴミ犬猫牛でひしめくムンバイを少し離れればこんな光景が見られるとは。

 

しみじみとした感慨を胸に、マノーリーからムンバイに帰る渡し場に着いた頃には、

日はほとんど沈んで薄暗くなっていた。
突堤の先に小さな船が見えたが、まさかこれにバイクを積むわけではないだろう。
……と思っていたが、その船がひととおり乗客を載せて向こう岸に出航した後、
同じぐらいの小ささの船が、バイクと我々を載せるべく到着した。
我々の前には先客バイクが1台。これにバイク3台は無理だろう、と思ったが
不安な気持ちをよそにバイク3台と乗客十数人をギュウ詰めに載せた船は出航。

明らかに定員オーバー。
ちょっとバランスが片寄っただけで船が30度ぐらい傾いた気がした。
本当に沈まないのかこの船。マチュリー君は大事なバイクが船から滑り落ちないように
必死にブレーキを握っている。自分のバイクは甲板にはまり込んでいて
とりあえず落ちる心配はなさそうだが、いつの間にかタンデムシートに乗客の女性が
どっかりと座り込んでいる。こちらは買ったばかりのバイクを何とか守ろうと必死なのに、
そのあまりの図々しさにMotiDDは怒り心頭。
自分は、ペダルがひん曲がったり、出っ張った部分が折れたりしないか、
そもそもこの船は本当に転覆しないのか心配で、
この数百メートルの航海が早く無事に終わるよう祈るばかりだった。

 

今にも沈みそうな小舟は、やがてよろよろと向こう岸に到着。
なるべく岸に近く横付けしようと船を前後左右に一生懸命操作してはいるが、
そこは何の設備もない単なる砂浜。
船から岸まで、深くても腰ぐらいだが、まだ何メートルか海水が横たわっている。
どうするのかと思っていると、ちっぽけな渡し板が登場した。
幅は50センチもなく、長さは2メートルぐらいか、人がやっと渡れるぐらいの細い板だ。
まず乗客を降ろして船を軽くしてからバイクを降ろすという。
しかし砂浜までその板では足りず、どうしても水に足を浸さざるを得ない。
結局乗客はバシャバシャと足を濡らしながら向こう岸まで走り幅跳びのように渡っていく。
なんといい加減な。それでも誰一人「服が濡れるじゃないか」だの「クリーニング代を出せ」
だのと苦情を言うこともなく、むしろ楽しげに笑いながらジャンプしていく。
ここはインドだ。こういう鷹揚な明るさは大好きだ。ここまでは良かったのだが。

 

船の位置も渡し板もそのまま、バイクも降ろしてしまうつもりらしいと分かったとき、
マチュリ君とMotiDDのテンションは最高潮に達していた。
教習所の一本橋よりも細い板をバイクで渡るつもりか。板から落ちれば海にドボンである。
しかも板は30度ぐらい傾斜している。無理無理。
板の支えとして小さなプラスチックの箱を板の向こう側に置いたりしていたが、

そんなことしたって無駄に決まっている。
そのうち、板を平らにしようと、お兄さん達が板の向こう側を素手で持ち上げて支え始めた。

その上をバイクが走るんだぜ。本気か!?

 

マチュリ君は、もう自分でやる!とバイクに取り付こうとしてお兄さん達に止められ、
それでも食い下がりしまいには

「いいから黙って任しとけよ!!(セリフ想像)」

とお兄さん達に怒鳴られる始末。
この頃にはもう、この状況ではこの人達に任せるほかに手はない、と諦めに入っていた。
きっとこんな曲芸みたいなことを毎日繰り返しているんだ。奴らにやらせよう。
買ったばかりの高価なバイクをこんなリスクにさらしてしまった自分がうかつだったんだ。

マチュリ君の愛車が最初に降ろされることになった。
お兄さんはバイクの左側に立ったままエンジンを掛け、ギアをローに入れ、回転数を上げる。

 

運命の瞬間。
 
バイクは板の上を走らせながら、人は伴走する形で船から勢いよく飛び出していった。
一体どうやってお兄さんとバイクが船から飛び降りることができたのか、一瞬の出来事で
詳細はさっぱりわからなかった。次の瞬間にはバイクとお兄さんは水しぶきを上げながら
海の中を猛スピードで突進し、そのまま砂浜に駆け込んで止まった。

バッシャーン!!

(これは最後に降ろされた他人のバイク)

 

バイクは横倒しではなくきちんと立っている。まさに曲芸。

一瞬ホッとする我々。でも次は自分の番だ。愛車が水中に沈むイメージを振り払う。
完全にまな板の鯉の心境になって成り行きを後ろから見守るのみ。
同じ手順であっさり成功。バイクは無事だ。やれやれ……
やっぱりこんなことを毎日繰り返しているに違いない。

渡し賃として、行きの渡し船の3倍ぐらいの金額を請求される。

戦う気力もない我々は素直に払う。どうもあまりまともな船ではないらしい。

 

終わってしまえば笑い話だが、買いたての愛車をこんな危険な目に遭わせてしまったことに反省しきり。
「子供がいる。リスクは負いたくない」と早々に船をあきらめて引き返していったインド人のお父さんのように、
危険を避けるには適確な状況判断と、駄目だと思ったらキッパリ撤退することが肝心のようだ。

後で冷静に考えれば、仮に海中でバイクが転んでも、浅いのでそんなに大したことにはならなかった。

一番怖いのは転覆。あんな定員の何倍も載せてそうな状態で事故になったことはないのだろうか。

どんなに無理矢理なことに見えても、なーにどうにかなるさ、とどこまでも楽観的。
そしてたいていは本当にどうにかなってしまう、実にインドだなあと唸ってしまう出来事だった。

 

ふう、終わった終わった
(今回の写真はすべてマチュリ君の撮影。サンクス)

 

スポンサーサイト

« 【MotiDD】タンプーラ 【MotiDD】日焼けの予感 »

- Comments
13 Comments

いやーこれは恐ろしい。
フツー取り乱しますよ。
中国雑技団顔負けのスーパーテクニックですねえ。
さぞやストレスがたまったことでしょうね。
おつかれさまでした。

by f.c.toshio | 10 05, 2007 - URL [ edit ]

すごい!ひどい!なんだそれ~!!!
良くぞご無事にお帰りになりました。
うちの旦那はほぼカナヅチなので、まず絶対にそういう船には乗らないことでしょう。
まあ、少しくらい泳げたところで何にもならないし、バイクは救いようがないんですが。
今後の無事なツーリングの報告をお待ちしています。

by みみ | 10 05, 2007 - URL [ edit ]

いやはや いやはや・・・・・・
すまんけど、だいぶ笑ってしまったよ。
なんたるリスクをおかすんだーとかひとりでしゃべりながら読み進みつつ。・
そして・・・よくぞそのテンションのさなか、写真をとってくれたもんだと。
この一本橋のインパクト・・・・!!
そしておじさんたちの手腕もすごい。

いやいや、失礼しました。
とにかくなにより無事でよかったよ。


by とやまん | 10 06, 2007 - URL [ edit ]

f.c.toshioさま> 怖いでしょう。MotiDDも「インド人のやることが初めて怖いと思った」なんて言ってましたよ。疲れたけど非日常的なテンションで、かえって日頃のストレスは吹っ飛びましたよ。

みみ様> すごいですよね。私もほぼカナヅチといえます。君子危うきに近寄らず、沈みそうな船には乗るな。今後は肝に銘じておきます。

とやまん> 長々と書きましたが楽しんでくれたようで。このバカな体験は爆笑してもらっていいですよ。写真撮影は先にバイクを降ろし終えた料理人のマチュリ君。ほんとにあんな状況でよく撮ってくれました。臨場感たっぷりですな。

by SatyanamakMotiDD | 10 06, 2007 - URL [ edit ]

こ、こ、こういうことだったのですね!怖すぎます。臨場感ありすぎです。読んでいてドキドキしました。ほんと、この状況で写真を残されたのはアッパレです!
何よりも、お三方と大事なバイクが無事で良かった~~

by f.c.mana | 10 06, 2007 - URL [ edit ]

こんにちわ。遊びに来ました。エンフィールドのバイクを買われていたのですね。自分もずっと欲しかったのですが、学生の時は高かったので、ヒーローホンダのスプレンダー(出たてのころ)を買い、そしてついに買うこともなく、車になってしまいました。

あの音は魅力ですよね。バイク助かってよかったですね。
まあ、海に落ちても修理代はちょっとかさみますがなんとかなるのがインドですが。

by トウショウ | 10 07, 2007 - URL [ edit ]

Satyanamak殿の文章が臨場感があって面白かったです。インド人がソフトに強いということは、こういった場面(ハードに頼っていない)を日常でこなしているからだろうか、と結びつかない事象を結んでしまいます。日本の常識がアラビア海に試されておりますねぇ、ふむふむ。

by も鹿 | 10 07, 2007 - URL [ edit ]

f.c.manaさま> 文章でうまく状況が伝わったかなと思いましたが、怖さを感じていただけたようで良かったです。写真のおかげですね。いや~怖かった。

トウショウさま> こんにちは。そうだったのですか。マチズモはどれぐらい新しいモデルなのか知らないのですがエンジンが凄く良いです。音と振動もいいですね。もしまたバイクを買う機会がありましたら是非。

も鹿さま> ありがとうございます。ローカル電車、道路の横断などなど、日常的に色々な危ない場面を絶妙に切り抜けながら生活するインド都会生活者は、判断力と反射神経を鍛え抜かれていることでしょう。いろいろな物がすぐ壊れても、頭を使ってその辺の物で直したり。毎日すごく頭脳を使って暮らしている感じはとてもしますね。

by SatyanamakMotiDD | 10 08, 2007 - URL [ edit ]

Satyanamak殿に、「毎日すごく頭脳を使って暮らしている感じ」と表現されて、インド都会生活者のも鹿は、とても照れてしまう・・・(えっ?そんなこと言っていないって?) も鹿は日本生まれだけれど、チェスはインド生まれという人もいて、そのチェスの世界チャンピョンに最近インド人がなりました。ゼロを発見したのもインド人だという人もいて、どこでそのような才能が磨かれるのか不思議です。大都会でではないように思いますが。も鹿も、もっとお釈迦様の教えを守って生活したいです~

by も鹿 | 10 08, 2007 - URL [ edit ]

インド古典音楽の世界にも論理的な才能を感じます。8ビート、16ビートのように単純に割り切れない実にややこしいパターンが、デタラメではなく水面下で一定の秩序を保ちながら規則正しく折り重なり、ここぞというところでバーン!とリズムが完璧に一致するのを見ると、どうしてこんな演奏が可能なのか、しかも即興で、と目が眩む思いがします。頭脳か直感か鍛錬か、それらを超えた何か別のものなのか……。お釈迦様にお伺いしたいものです。

by SatyanamakMotiDD | 10 09, 2007 - URL [ edit ]

ありがとう!!師匠とMotiちゃん。あの時の感動がよみがえりました。ハハハー
船を降りた砂浜での観客の多さには驚きでしたねぇ。自分のバイクが降りたあと、板の上からジャーンプ、「お前は、中国人か!?ブルースリーだろ!!」
「うお~~!やっぱり!前髪そろってるし」
あの拍手のなか、バイクの無事を確認するまでの道のりは、少しだけスター気分で、ヘッヘッヘー。楽しかったー
忘れられない良い思い出ですよね。また行きましょう。次は平常心で自分のバイクは自分で降ろしましょ。

by マチュリ | 10 09, 2007 - URL [ edit ]

どうやらマチュリくんにはぜんぜん応えてないようで。プププッ (*^m^)o==3
意外だ~、おとなしそうなのに。

by みみ | 10 09, 2007 - URL [ edit ]

拍手?スター気分!? どうも我々と同じ空間にいながら別世界にいたようですね。
「また行きましょう」ってまさか、あの船にまた乗ろうって意味じゃないよね?
まあそのとおり、終わってしまえば良い思い出だね。
ともあれゴライのビーチは本当に良かったからまたいつか行きましょう。

by SatyanamakMotiDD | 10 10, 2007 - URL [ edit ]

管理者にだけ表示を許可する
- Trackbacks
0 Trackbacks


この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。