プロフィール

satyanamak*motiDD

Author:satyanamak*motiDD


2006年夏、
人人人ひしめくムンバイに
猫猫ひきつれやってきた二人組。
夫 Satyanamak と妻 MotiDD
2008年11月には新たに
ムンバイ生まれのチントゥーも
登場しました。

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【MotiDD】水がめ、満ちました

09月29日, 2012 | 未分類

4 Comments
今年の雨には、ずいぶん待たされた。
灰色の雲が重く立ちこめ、前兆の風が吹く。
でも一滴の雨も降ってはこない。
だんまりを決め込んだ黒雲を見上げながら、
この先一年間の水不足を思ってため息をつく日々だった。

六月、七月の二ヵ月は、そんなふうに過ぎていった。
例年であれば、この二ヵ月の雨で翌一年分の水瓶がいっぱいになる。
はやくも給水制限が始まっている地域もあった。
畑の不作が、物価の高騰に拍車をかけた。
雨季に備えて日本で買ってきた、上等な傘や長靴も出番がなく、
玄関の隅でつまらなそうに埃をかぶっていた。

まとまった雨が降るようになったのは、八月もなかばを過ぎた頃だっただろうか。
ゴンさんを学校へ送るのに、しばしば車を出さなくてはならなかった。
そうそう、この雨だよ!と遅い到着を叱りたい気持ちで、
みるみるうちに濁流の滝となってスロープを駆け下りる雨水でうれしく遊んだ。
そのうちに、どこのダムが満水になって溢れた、といううれしいニュースが新聞に載った。

100_6049.jpg


先週の日曜日、ウサガーオン・ダムに行った。
二ヵ月と少し前、七月十四日に一度訪れている同じ場所。
降り続いた雨でダムが見違える様子になっていた、と七月に同行した友達に聞き、
それは見に行かなくては、と車を北へ走らせた。



<上の写真が七月に撮ったもの、下が二ヵ月後の今回>100_5598.jpg
100_6125.jpg
七月には下をくぐって向こうへ行けた塔の橋脚が、いまではすべて水に浸かっている


100_5615.jpg
100_6079.jpg
ただの草地だった場所が川になってる。水が大地を潤していく!


いちばん違っている、と思ったのは、音だった。
七月に訪れたウサガーオン・ダムは、小さくて静かな湖だった。
前回は静寂に包まれていたその場所は、いまは流れる水の音で満たされている。
湖は雨が降るごとにその大きさをどんどん拡げ、
ついに川となって村の方へと流れ出していたのだ。
小魚の無数に群れる浅い水辺でゴンさんがびしょ濡れになって遊ぶ間じゅうずっと、
途切れることのないその音は、心地よく耳に響いていた。

ずいぶん大きくなった湖では、どこからかマイクロバスで乗りつけて遊びに来た若者たちと、
食器洗いと洗濯に忙しい村の主婦たち、遊びに来た村の子どもたちが
思い思いの場所で、満ちた水瓶との時間を過ごしていた。
サリーを腿までたくし上げた痩せたしわしわのおばさんが、
岸にビショビショの洗濯物を叩きつける音、
村の少年たちが飽きもせず何度も何度も駆けてきては飛沫をあげて水に飛び込む音。
どこから来たのか、朱茶色のニワトリたちも忙しそうに走り回っていた。

陽射しを受けてきらきら光る滝を見ると、その水の一筋ひとすじに
「ムンバイの水は大丈夫よ~」「大丈夫よ~」
と書いてあるような気がした。

100_6063.jpg

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